カナダはかつて貿易面で米国に対する依存度が非常に高かったことから、1980年代初頭
に米国経済が大きく後退したさいには、モロに影響を受ける格好となりました。
しかし、ここ数年でこうした傾向から脱皮しつつあります。事実、近年カナダは資源国として
の利点を最大限利用することによって、2000年以降は安定した経済成長を遂げました。
残念ながら大幅なドル安に伴い世界景気の減速が進んだことにより、需要が大幅に減った
ため原油価格が急落することとなり、カナダドルもそれにともなって下落しました。
基本的にカナダの経済規模は主要国の中でも大きい方に分類されます。しかし、外国為替
市場にてカナダドルの取引量は、それほど多くありません。
ですので、カナダドルの市場規模自体が小さいため大口のファンドがポジションを手仕舞う
場面では大きく下落するケースが頻繁に見受けられます。
特に大口が動く要因としては、原油をはじめとした商品市況による影響が強いです。こうし
た背景にはカナダが原油や天然ガスといった一次産品の輸出が多い点が上げられます。
ですので、商品市況が上昇する場面ではカナダドルもそれに伴って買われ、反対に下落
する場面では売られる傾向が強まります。しかし、基本的にカナダのファンダメンタルズ
が良好な上に資源国であるため安定した動きをします。
同じ資源国通貨であるオーストラリアドルと比較した場合、カナダドルの方がより安定して
います。繰り返しになりますが上述したとおり、カナダは米国との結びつきが非常に強い
ので、米国の金融政策や経済指標の発表には注意する必要があります。
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