カナダドルは宿命的に米国経済の影響を最も強く受ける通貨なので、アメリカの経済指標や、
金融政策に対する市場での反応は他の通貨と大きく異なる場合が少なくありません。
カナダは、ここ数年間に一定規模の対アメリカ貿易黒字を維持していますが、黒字幅が変動
することによって為替市場では敏感に反応するので、常に注視する必要があります。
特に今現在、米国経済が崩壊寸前の状況にありますので、日本や中国と同様に、これから
米国を離れて独自の道を模索するのか、ひたすら米国を支えるために心中する覚悟で米国
に追随するのかといったことが問われています。
かつて、
外為市場では、カナダドルも資源国通貨としてオーストラリアドル、ニュージーランド
ドルなどと同じく、高金利であったため、常投資家の間で注目されていました。
しかし、年々オーストラリアドルやニュージーランドドルと金利差が開くにつれ、オーストラリア
ドル買いの、カナダドル売りの動きが活発化した時期もありました。
90年代にはいってからは、カナダは経常貿易黒字を長年に渡って続けていますので、経済は
概ね良好のため、外国から資本流入だけを目的として金利水準をあげる必要はないのです。
こうしたことから、多くの投資家がカナダドルからオーストラリアドルやニュージーランドドルなど
の高金利通貨への投資にシフトされたのです。
しかし、カナダドルの金利水準の低下が底を打ったことを確認すると、経済的なバックボーンが
しっかりしているカナダドルへ、再び投資する動きも見受けられました。
2008年まではカナダドルは原油価格の高騰から、上昇し続けました。米国の金融政策に合わ
せる格好で、政策金利を利下げしても、勢いよく上昇しました。
今後、インドや中国の経済成長が今の水準を保ちながら推移すると、食料とエネルギー需要
が歴史的レベルで高まるといわれています。カナダはオーストラリアと同じく、主要国の中で
は最も早く経済的不況を克服する可能性が高いとされています。
米ドルが暴落するような時には他の国の通貨も連動するでしょうが、そうした時には、絶好の
買い場となるかも知れませんので、カナダ経済、カナダドルの未来は明るいと思います。
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